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絶滅危惧種はどうやって決まる? IUCNと環境省のレッドリストをやさしく解説

ニュースや図鑑で「絶滅危惧種」という言葉を見かけても、「どうやって決めているの?」と思ったことはありませんか?実は、世界と日本それぞれに評価の仕組みがあります。今回はその2つ、IUCNレッドリストと環境省レッドリストを紹介します。

目次

IUCNレッドリスト — 世界共通のものさし

IUCN(国際自然保護連合)は1948年創設の世界最大の自然保護組織で、160カ国以上が参加しています。そのIUCNが公開する「レッドリスト」は、地球上の動植物169,000種以上の絶滅リスクを評価した世界基準のデータベース。各国の環境政策を決める際にも参照される、いわば地球規模の通知表です。

レッドリストのカテゴリ(絶滅危険度が高い順):

略称英語名簡単な説明
EXExtinct種が完全に絶滅した状態。最後の個体が死亡したと確信される場合。
EWExtinct in the Wild野生では絶滅したが、飼育下や栽培下で生存している場合。
CRCritically Endangered極めて高い絶滅リスク。個体数が極端に少なく、即時の保護が必要。
ENEndangered高い絶滅リスク。生息地減少や乱獲などで脅威が増大中。
VUVulnerable絶滅リスクがある。将来的にENやCRに移行する可能性。
NTNear Threatened現在は安定だが、近い将来絶滅危惧になる可能性が高い。
LCLeast Concern絶滅の危機が低く、広範に分布し個体数が多い種。
DDData Deficientデータが不足しており、絶滅リスクの評価ができない。
NENot EvaluatedまだIUCNによる評価が行われていない種。

環境省レッドリスト — 日本独自の視点

日本の環境省は、IUCNの基準を参考にしながら、日本国内の状況に合わせた独自のレッドリストを作成しています。2020年改訂版では3,716種を評価。第5次リスト(2025年公表)でも同じ基準が使われています。

環境省レッドリストのカテゴリ一覧

カテゴリ名略称説明
絶滅EX我が国ではすでに絶滅したと考えられる種
野生絶滅EW飼育・栽培下あるいは自然分布域の明らかに外側で野生化した状態でのみ存続している種
絶滅危惧I類CR+EN絶滅の危機に瀕している種(IA類とIB類の総称)
– 絶滅危惧IA類CRごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの
– 絶滅危惧IB類ENIA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの
絶滅危惧II類VU絶滅の危険が増大している種
準絶滅危惧NT現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては絶滅危惧に移行する可能性のある種
情報不足DD評価するだけの情報が不足している種

2つを見比べると、見えてくるものが変わる

IUCNは「世界全体での個体数」を、環境省は「日本国内での状況」を基準にします。そのため、世界ではまだ多く生息している種でも、日本では絶滅寸前というケースがあります。逆もしかり。両方の目線を持つことで、地球規模の危機と、私たちの身近な自然の危機が、よりリアルに見えてきます。

「絶滅と繁栄」では、これらの基準をもとに、今まさに岐路に立っている生き物たちの物語をお届けしています。

参考文献(エビデンスURL)

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